保守、中道の二大政党化の可能性~自民党vs小池新党+共産党の構図の現実味は?(児玉克哉) – Y!ニュース

保守、中道の二大政党化の可能性~自民党vs小池新党+共産党の構図の現実味は?(児玉克哉) – Y!ニュース

保守、中道の二大政党化の可能性~自民党vs小池新党+共産党の構図の現実味は?

(ペイレスイメージズ/アフロ)

日本で衆議院で小選挙区制が導入されたのは、1990年代半ばに高まった「政治改革」の大合唱によるものであった。94年1月、非自民の細川連立政権のもとで、衆議院の選挙区制度を小選挙区・比例代表並立制に「改革」する法案が成立した。「世界」は小選挙区制で、政権交代ができるシステムだ、と声高々に叫ばれ、反対意見が潰されてしまった。そもそも世界の動向は、有権者の意見を反映するためにむしろ比例代表制に移っていた。先進国で小選挙区制を導入しているのはアメリカ、イギリス、カナダ、フランス(小選挙区制と比例代表制の併用)くらいで、ヨーロッパのほとんどの国は比例代表制であった。そして比例代表制の国でも政権交代は起きており、政権交代のためには小選挙区制しかない、という主張は滑稽な感さえあった。

私はスウェーデンに留学していたが、そこは完全な比例代表制。完全比例代表制だからこそ、選挙での争点は政策であり、国民は政治に対する高い関心を持ち、高い投票率が実現していた。資本主義的政党グループと社会民主主義的政党グループが政権交代を行っていた。

1990年代の日本で政治改革が関心を高めるのは当然であった。88年のリクルート事件を発端する数々の政治腐敗が話題にのぼり、改革を求める国民の声があった。長い自民党政治からの変化を求める声もあった。しかし分からなかったのは、政治改革=小選挙区制導入という単純な方程式であった。小選挙区制に反対する人は、政治改革に後ろ向きということでバッシングにあった。異常な雰囲気であった。皮肉なことに、小選挙区制導入を進めた小沢一郎氏らを中心とした人たちは今では、小選挙区制の弊害をまともに受ける小党に属して、中選挙区制や比例代表制への転換を訴えている。

とはいえ、今となってはこの小選挙区制をベースにした仕組みを変えることは難しい。このシステムの中での政局の展開を考えるしかない状態だ。

このシステムの中では、やはり二大政党化が促進されることになる。自民党と民進党(民主党)との二大政党化が進むものと思われたが、ここに来て、民進党(民主党)が急落しつつある。自民党にそれほど支持があるわけではなくても、民進党(民主党)はそれ以上に支持を失い、結局、国政選挙では自民の一人勝ちが続いた。国政選挙ではないが、都議会選挙では、自民党が大敗し、民進党はさらに大敗し、小池知事率いる都民ファーストの会という新党が大勝ちした。都民ファーストには公明党が付き、連合も選択的ながら支援するという形がとられた。これは今後の政局を考える上で大きな意味がある。

自民党は資本主義国日本においては、どのような事態になろうとも、やはり二大政党の一角を占めることは間違いない。ヨーロッパ等のケースを見れば、それに対抗するのはリベラル左派の民進党のはずだが、今の支持の落ち込みをみれば、異なった展開も十分にありえる。民進党(民主党)は自民に対抗するために、非自民のすべてを受け入れる形で大きくなり、それによって方向性がばらばらのまとなりのない政党を作ることになった。政権奪取時の失敗のイメージもあまりに強く残っており、足かせとなっている。

今、可能性としてでてきたのは、保守・自民に対抗する新リベラル政党の出現だ。将来的には、公明党や連合なども連携・支持する形になるかも知れない。保守vsリベラルの二大政党のもと、そのいずれをも否定する共産党を中心とした野党がチェック機能を果たすという新たな形が出てくる可能性がある。公明党の支持母体の創価学会は、特に防衛問題においては平和主義を掲げており、安倍内閣の進める路線には完全に賛成することはできない。連合は、共産党と連携する民進党の姿勢に躊躇しており、新たなリベラル政党が出現するなら、その支持をするオプションを持ちたい状況だ。保守・自民と公明や連合が支援するリベラル・小池新党が対峙する新政局の可能性が否定できなくなってきた。この場合には民進党は分裂し、新政党につくグループと、共産党などとともに野党連合を作るグループに分かれるだろう。

このシナリオが実現するかどうかは、民進党が明確な路線を打ち出し、国民や連合の支持を得る形をとれるかどうか、自民党が国民の支持を回復し、また一人勝ちに近い選挙状況を取れるかどうかに、かかっている。今のところ、そのどちらも難しい。来年の総選挙ではあっと驚くような新展開があるかもしれない。

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